コンテナガレージ

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パート3-3

暖炉に置かれたマッチを擦って、紙に引火、灰に放り投げる。赤々と灯ったらすぐに鎮火した。そのときである、玄関が開いた。直接玄関はリビングからは見えない家の造りではあるが、ドアの開閉音は聞き取れた。

「すぐ、自宅へ戻ってください」戻った住人は言う。どうしてかその理由を問うまでもなく、素直に僕は指示に従った。ラップトップを地下室の部屋に戻してから、庭に出た。雪である。通りが騒がしい、通りを覗くと車が数台道路を斜めに占領している。呆然と眺め、状況の把握に努める間、見る見るうちに車がスライド。おもちゃのようだ。恐怖が頭をよぎった、そして連想。僕には死角が存在する。すぐさま、死角を視界に入れようとするが、鈍い痛みが頭部に襲って記憶が途切れた。

 体の揺れが意識の覚醒を促した。どこだろうか。室内。三角の天井が古風な建物を連想させる。ベッドから這い出る。こちらでの呼び名は知らないが、掛け布団から這い出る。靴を履いて、窓を覗く。見慣れた風景、自宅が正面に見える。ということは、ここは向いの家か。ノックもなしにドアが開いた。仏頂面の主人がトレーにカップを乗せて、部屋に足を踏み入れた。この部屋はベッドと枕元のテーブルに一脚の椅子だけ。クローゼットや電化製品は見当たらない。じっと主人が見つめ、カップを差し出した。飲めということらしい。黒い液体。口につける、コーヒーだ。甘くない、僕の好みである。

「庭の草木の冬支度がまだのようだったので、君の家に伝えに言ったが、留守でな、勝手に庭を触られるのは抵抗があるかもしれないが、このままでは枝が雪に重さに負けて折れてしまい、翌年は葉も実もつかないので、無断で君の裏庭に入って、積もった雪だけでも落とそうとしらたば、そこに君が倒れていた。そして、私がここまで運んだのさ」向いの主人の話を鵜呑みにすると、僕はこの人物以外に殴られたということか、後頭部が急に痛み出した。やはり殴られたのは確かなようだ。時間を尋ねる。「午後の二時半だ」とっくに母親が帰宅している時間だ。探し回っているに違いない。何かを忘れてるような、僕はわざとらしく、こめかみを指先で触る。

「事故が通りでありましたよね?」

「事故?そんなものはなかった。私はずっと家にいたが、パトカーのサイレンも衝突音も何も聞いちゃいないし、見てもいない。気を失って勘違いをしているんだろう。ああ、親御さんへの報告は心配いらない、私が連絡を入れてある」僕はお礼を述べて、帰宅を告げる。